■ F.W.U. 府中レスリングユニオン 旗揚げ戦
日時:7月9日(日)時間:14時半開場/15時開始
場所:キングダム聖蹟桜ヶ丘FIRST SPIRIT 超満員札止め

全国展開を進めるキングダムネットワーク本部ジムであるキングダム聖蹟桜ヶ丘FIRST SPIRITで興行が開催されるのは平成24年2月2日以来、実に5年半ぶりとなる。この試合はキングダムエルガイツが立川商工会議所とコラボしたイベント、立川格闘技フェスタ2017のスピンオフイベントとして開催された。
先日旗揚げされたUWF正当後継団体を謳う、キングダムのプロレス部門、T/W/F<立川レスリングフォース>のホーム会場、立川コロッセオをなぜ使用せずに当会場を敢えて選んできたのか。その理由は、団体のプロデュ-サー入江代表と、FWUのエース田馬場貴裕による“ある思惑”があった。

※完全詳細版は、金曜14日発売の週刊ファイト7月20日号に収録されます。

<ファーストバウト 10分一本勝負3ロストポイント制>
○小澤努(ねわざワールド品川)
4分35秒 逆エビ固め
●ボクシングマシーン(W‐PBF)

最初にボクシンググローブを着用のマスクマン、ボクシングマシーンが入場。続いてTWF旗揚げ戦の前日におこなわれた、TWFルールの検証マッチにも出場した小澤努が入場。試合はボクシングマシーンのスピーディーなワン・ツーのパンチが小澤を攻め立てる。元プロボクサーの肩書きは伊達ではなかったか。強烈な左ボディが炸裂して小澤が最初のダウン。ここはカウント5で立ち上がる。なおも左右のパンチで攻め立てるボクシングマシーンに小澤は防戦一方で2度目のダウン喫する。しかし、これもなんとか立ち上がる。
ここで小澤はグランド攻撃での作戦に変更。フロントチョークの体制から、グランドに持ち込みアキレス腱固めで最初のエスケープを奪う。次に浴びせ蹴りを受けてダウン気味のボクシングマシーンに逆エビ固めを仕掛け、これを暫く耐えたマシーンだったがリング中央で敢無くタップ。小澤がFWU初勝利を飾った。

<セカンドバウト 10分一本勝負3ロストポイント制>
○清水来人(和術慧舟會TLIVE)
4分11秒 チョークスリーパーホールド
●ZIMA吉田(国際サンボチーム)

総合格闘技界の強豪、和術慧舟會から清水来人が参戦。清水はキングダムエルガイツの格闘技戦でも勝利したことがある。試合は国際サンボチームを名乗る吉田が序盤からサンボらしく、足関節を狙う展開。まずは吉田がヒザ十字固めで最初のエスケープを奪う。試合続行後、こんどは反撃とスタンドから豪快な投げを決め、腕十字の連携を狙う清水。これを何とか凌いだ吉田が再び隙を見てヒザ十字を狙う。ここで足関節の取り合いになったが、清水がアンクルホールドで何とか切り返そうとすると吉田はここは我慢せずエスケープ。ロストポイント1-1となる。
吉田が飛行機投げから、腕十字を決めにかかるが、筋骨隆々の清水が吉田を持ち上げ、歓声が上がる。そこから最後は清水が吉田をチョークスリーパーで締め上げ勝利した。

<セミファイナル 東京多摩ルチャス提供試合20分一本勝負>
○エル・アミーゴアモン(東京多摩ルチャス)
6分18秒 ツームストンパイルドライバーからの体固め
●安倍健治(CMAプロレスリング)

この試合は東京多摩ルチャス提供試合と名うたれてはいるが、敢えて空中戦を控え、関節技の取り合いなどを中心とした組み立ては、今日旗揚げのFWU団体色に合せた戦いか? 元々、ルチャ戦士は過去にも総合格闘技団体DEEPで格闘家との対抗戦が組まれる程に技術体系がしっかりとしている選手が多いことはプロレス界で知られている。両者の目まぐるしいスピーディーな展開に客席からは「アミーゴ!」の声が飛ぶ。
試合はエル・アミーゴアモンが組み手争いから、バックに回るなどしっかりと動きを観客に見せつけたあと、エルボー2連発から最後はツームストンパイルドライバー、そして体固めでキッチリ安部を調理して見せた。試合後マイクを取ったエル・アミーゴアモンは「僕のアミーゴの田馬場選手がこのあとメインでブルーシャークと対決します!応援よろしくお願いします。」とメインを煽った。

<メインイベント F・W・U公式ルール61分1本勝負>
*フリーダウン、フリーエスケープ 20分一本勝負5ロストポイント制
○ザ・ブルーシャーク(フリー)
14分48秒 胴絞めスリ―パ―ホールド
●田馬場貴裕(F.W.U.)

そのスタイルは“F”なのか、それとも“U”なのか。その答えを出すことが求められる一戦。遂に新団体旗揚げ戦のメインイベントに突入した。
先に入場のエース田馬場貴裕に対し、ブルーシャークは映画「ジョーズ」のテーマ曲で入場。メジャーシーンの一角を担い、そのスピーディーな動きから“天才”と謳われるザ・ブルーシャークが遂にFIRST SPIRITのリングに登場した。試合開始から、掌底、レガ―ス着用の激しい蹴り合いなどの打撃戦を繰り広げる両者。やはり、そのスタイルは“U”なのか?しかし、公式発表の20分一本勝負5ロストポイント制から、直前に試合時間及び、ルールを変更するなど関係者を困惑させる。
序盤の内容は、格闘技戦の実力は上のシャークが関節技で攻め立てる展開。腕十字でエスケープ、バックスピンでダウンを奪われるとそこから立ち上がり、今度はタックルを仕掛ける田馬場。それをシャークは往年のUWFの鬼軍曹、藤原喜明を思い起こさせるような一瞬の腹固めで切り返す。そこからオモプラッタのような状態になったが、もつれて上を取った田馬場がシャークを肩固めにキープ。攻め立てる場面をつくる。しかし、バックに回り、今度はシャークがグランドコブラ。これをなんとか脱出してスタンドに戻した田馬場がエルボー2連発からシャークをテイクダウンし、アキレス腱固めに決めかかる。しかしシャークはここで焦らずアンクルフォールドで切り返した。これを嫌い、エスケープから場外に脱出した田馬場にシャークのトップロープこらのトぺ・コンヒーロが炸裂。リングアナの5分経過のコールとクロスするかのようにシャークの「この試合、場外もいいんだよな?場外いくぞコラ!」という声とともに、戦いの舞台は会場を出て場外へ。
ここキングダムの本部ジムのある開催会場FIRST SPIRITはビルの1階に位置していて、道路を渡った向こう側には乞田川という変ったロケーションだ。まさに今回の影の仕掛け人、“一人総合商社”入江の思惑どおりの展開となる。

もつれ合いながら、川に向かって歩を進める両者。観客はもちろん、外を歩いていた通行人まで一体なにごとか?と、続々と周囲に集まってくる。「おいおい、お前らちゃんと信号守れよ!」と田馬場に攻撃を加えながらも 余佑を見せるシャーク。ついに、河岸から田馬場を乞田川に叩き込むことに成功すると観客、ヤジ馬含め大歓声が上がった。そしてブルーシャーク自身も「おい!いくぞ」の声とともに水中にいる田馬場にフライングボディプレスを敢行。川には大きな水しぶきが上がり観客のボルテージもMAXに。それを耐えてなんとか、岸に這い上がった田馬場に今度は河岸を走り込んで来ての強烈なキックをシャークがお見舞いしたところで田馬場がダウン。ピクリともぜず万事休すか。

先に会場に戻り、リングでドンと待ち構えるシャーク。しかしエース田馬場も意地をみせファンと共に、フラフラで戻りなんとかリングIN。そこにまたシャークの容赦ない蹴りの連発で田馬場は再びダウン。大田馬場コールの中、これもなんとか気力で立ち上がり掌底攻撃で必死の形相で立ち向かう田馬場だったが、最後はローリングハイキックからダウン気味に倒されたところを、シャークの胴絞めスリーパーホールドで絞め落とされ失神。旗揚げ戦勝利を飾ることは出来なかった。

試合後、最初にマイクをとったシャークは「F、W、U―?旗揚げ戦おめでとう。俺が勝っちゃって最後は微妙な空気になっちゃったけど。ダウン奪われた一発は効いたよ。川は別の意味で効いたけど(場内爆笑)」
続いて、マイクを取った田馬場は、「自分へ練馬区在住で、府中とは深くは関係ないのですが、入江代表と話してこのように旗揚げすることができました。ブルーシャーク選手本日はありがとうございました。今日来て下さった皆さんありがとうございました」と大会を締めくくった。

T/W/F 立川レスリングフォース 暫定エース、超人イリエマンがプロレス・格闘技全団体に対し『挑戦者求ム!』

全試合終了後に、先月旗揚げ戦を終えて話題になったFWUの姉妹団体、T/W/F<立川レスリングフォース>の入江代表がリングインしてコメントを発表。「TWFはその過激なルールの為か、対応できる選手が数少なく、来月19日に迫る旗揚げ第2戦の試合数も満足に組めてはいない状況です。なので、ここで宣言させて頂きます。このルールに挑戦したいという勇気なある選手!プロレス界・格闘技界問いません。広く挑戦者を求めます。と述べ、TWFの前身であるUWFインターナショナルの十八番(オハコ)の一つとも言える戦法で、強く業界にその存在をアピールした。